実験装置

電気化学測定装置

溶液中の錯体の電子状態や半導体表面の電気化学的な特性を調べることができます。基本的な電位測定以外にも、微小電流測定や高速掃引、インピーダンス測定もすることができます。

携帯型ポテンショスタット/ガルバノスタット/EIS

本格的な電気化学測定は高価な装置を持っていないとできないのか?そんな時代は過去の話です。当研究室では、研究グレードのAll-in-one型の小型ポテンショスタットの設計/実装も、教育研究の一環として行っています。オペアンプ技術の進化により高性能なポテンショスタットを簡単に設計できるようになりました。電気化学測定は一度始めると丸一日かかることが多く、装置が占有されることがしばしばあります。これがあればみんな笑って研究できますね :)。

関連情報: 汎用型、高速掃引型などのポテンショスタットについては、J. Chem. Edu. 2021, 98, 3362-3370で詳細を公開中です。また、対応するソフトウェア(Voltammogrammer)についての最新情報はGitHub リポジトリより入手できます。ご興味があるかたはご覧ください。

等温滴定型熱量測定装置

あらゆる溶液反応の熱力学緒量を迅速かつ精度良く測定することができます。これは、分光学的に「色」をほとんど持たない化合部に対しては、唯一の方法といってもよいでしょう。 電気化学測定と合わせることにより、熱力学的な反応性に関して更なる情報を引き出すことができます。

有機合成を支える装置たち


多連式の有機合成装置

左は、一度にいくつもの合成条件を検討するときに威力を発揮する装置です。 もしくは、同時に5人の人が1つずつ反応を仕込むことができる大変便利な合成装置としても活躍中です。 とても便利なので、もう一台追加導入しました。

溶液の紫外可視吸収スペクトル測定機能付の光照射装置

試料溶液に光を照射しながら、溶液の紫外可視吸収スペクトル変化を測定することができます。場合によっては特殊なNMR管を使うことによってNMRスペクトルを測定することもあります。 これにより、光照射中の溶存種の化学変化に関する情報を得ることができます。

高速液体クロマトグラフ (HPLC)

反応溶液を分析する際に、大抵は混合物を分析することになります。 そのためには、混合物をカラムを用いて分離し、その後、検出器で分析するという手順を踏まなければなりません。 本装置によって、このようなことがルーチンとしてできるようになります。検出には、UV/Visか電気伝導度を用いており、後者の方法で、ギ酸などの「色」を殆どもたない化合物でも鋭敏に定量できます。

ガスクロマトグラフ (GC)

反応によって気体が発生する場合、それらを分析する際にはGCが用いられます。当研究室では二酸化炭素を還元する際に発生する水素や一酸化炭素を分析しています。

量子化学計算を行うためのコンピュータ

近年の計算機の伴い、小さな分子であれば化学的な精度で各種の性質や反応性を得ることが可能になってきています。 当研究室でも、代表的な量子化学計算パッケージの一つであるORCAを用いて、2台の4コア計算機を並列化させ、最低限の量子化学計算がいつでもできるようにしています。2019年度には16コア計算機も導入!学部4年生がメニーコア計算機を日常で扱う時代になりました。 また、分子のフロンティア軌道相互作用についてもAOMix等を用いて定量的に考察できるようにしています。

関連情報: ORCAを用いた計算環境の構築方法は、Ubuntuで量子化学計算を始めるUbuntuで量子化学計算を始める (ノード間並列計算編)に記述しています。ご興味があるかたはご覧ください。